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オリエント急行・体験記 その3 ツノピーお勧め鉄道の旅

我が懐かしの オリエント急行体験記(Part 3)

かくして、イスタンブールへ
 いよいよ、ソフィアを発つ日を迎えました。パリからはるばる2泊3日掛けて来た列車は、ソフィアに午後3時過ぎに到着する予定でした。さて予定時刻になりましたが、どうやら列車は大幅に遅れているようです。到着時間が分からないとのことで、ホームを離れるわけにはいきません。それでも待つこと2時間余で、5時過ぎにオリエント急行の車両が入って来ました。見慣れた車両ではありますが、どことなくクタビレています。最早ブルガリアまで来ると、オリエント急行もローカル列車の感がありました。その証拠に食堂車が付いてないとのことで、夕食と朝食の二食を車内に持ち込みました。列車は、ソフィア郊外の田園を走ります。この辺りが有名なバラの里で、香水が採れるとのことです。やがて暮れなずも車窓に、早々とベッドに入りました。夜中にたびたび大揺れを感じながら、どうやら眠りに入ったようです。翌朝の5時、明るい車窓に起きて廊下に出ました。列車はギリシャ国境のヒマワリ畑を、走っていました。一面のヒマワリ畑に、ソフィア・ローレン主演の映画「ひまわり」を思い出しました。隣の車室から中年の夫婦が現れて、朝の挨拶を交わしました。聞けば、アメリカから来たとのことでした。当時はキプロス問題で、トルコとギリシャが緊迫していました。国境地帯には、トルコの戦車を見ました。乗客の大半はドイツへ出稼ぎに行ったトルコ人で、列車はさながら「出稼ぎオリエント急行」でした。10時を過ぎると、沿線に人家が現れました。どうやら人里に入ったようです。そう言えば、寝る前に車掌にパスポートを預けて置きました。トルコへの入国審査は、眠っている間に済ませてくれたようです。11時過ぎに列車は、イスタンブールの郊外に入りました。行きかう通勤列車や慌ただしい町並みに、大都会「イスタンブール」の息吹を感じました。12時前には、列車は「イスタンブール・シルケチ駅」に到着しました。オリエント急行の終着駅とあって、さぞや大きな駅かと期待しましたが実際の駅はホームが4面の小さな駅でした。「なんだ、これじゃ知るケチ駅じゃあないか!」と、妻とダジャレを飛ばしました。ともかく、これで往路のオリエント急行の旅を無事に終えました。

                ブルガリアの建国の父「ディミトロフ廟」と、ソフィア近郊のビトーシャ山にて。

ブルガリアの原野には、ヒマワリ畑が見えました。

イスタンブールでの日々
 イスタンブールには、1週間ほど滞在しました。ここで詳しく述べる予定はありませんが、思えば妻と二人で良く単独旅行で行ったものと思います。ここでもホテルを予約せず、まず駅にいた客引きのオジサンの車で宿へ案内されました。そこはホテルではなく、個人の家でした。何やら主人を残して、家族は避暑に行ったとのことです。私たちは、その家のお嬢さんの部屋に案内されました。1泊で500円と値段は安いのですが、シャワーには冷たい水しか出ないのには困りました。朝食は主人がコトコトと台所で調理して、お盆に載せてしずしずと運んでくれました。また朝は5時には、近くのイスラム寺院からマイクによるコーランのお祈りに目が覚めてしまいました。あれやこれやで休養できず、3泊した後はホテルへ泊ることにしました。そこでふと思い出したのは、列車で出会ったアメリカ人の「イスタンブールへ行ったら、ヒルトンへ泊れ」と言う言葉でした。4日目朝、ペンションを引き払ってタクシーで丘の上の「イスタンブール・ヒルトン」に乗りつけました。予約なしでしたが、「海側の部屋か、山側の部屋か」選べと言われました。もちろん海側の部屋に入り、窓を開けると眼下に「ボスポラス海峡」が一望のもとに開けました。夜は赤い満月が、海峡を照らしていたことを思い出します。
かくしてイスタンブール滞在を終え、再びオリエント急行で帰途に着きました。

イスタンブールのヒルトン・ホテルに泊まると、部屋からボスポラス海峡と月が見えました。

フェリーで海峡を渡ると、イスタンブールのモスクが二つ見えました。

珍しい「アエロフロート」の航空券です。
◎お断り;なお当時はスライド用の写真が主で、フィルム写真は余り撮りませんでした。

「予告篇」
 帰りのオリエント急行でも、面白い出来事に出会いました。例えば、大量のトルコ紙幣(トルコ・リラ)の遣い残し。車内で同室したポーランドの三人組。ハンガリーに寄って、またまたハンガリー紙幣(フォリント)の遣い残し。ブルガリア通過時の真夜中のパスポート検査などなど。珍談・奇談を、続編でお楽しみ下さい。乞う、ご期待!!!



続く――近日公開

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