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クレルモン・フェランの旅・  その1   ツノピーお勧めの旅

ツノピーこと
角田昌夫お勧めの旅

フランス中央高地
クレルモン・フェランの旅(Clermont-Ferran)Part-1

 
広い平野が目立つフランスの地図を眺めると、中央部を高地が占めています。この高地は古い火山の残りで、アルプスとは違った成因の地形です。この「オーベルニュー」と呼ばれる地方の中心都市、「クレルモン・フェラン」を訪れることにしました。クレルモンと聞くと、宗教会議を思い出します。1095年に聖地エルサレム奪回を目指す宗教会議が、ここクレルモン・フェランで開かれました。また哲学者「パスカル」の誕生地として、彼の生家があります。元々は「クレルモン」と「フェラン」の双子都市だったものを、合わせて「クレルモン・フェラン」と呼ぶようになったそうです。このページでは便宜上、「クレルモン」の名前で呼ぶことにします。

大西洋岸から、TGVで中央高地を目ざしました。


 
クレルモンを目ざす
 さて1999年の旅でモン・サン・ミッシェル訪問を終えて、大西洋岸からフランス内陸を目ざしました。焼き物で有名な「リモージュ」の滞在を終えて、10月1日(金)の11時半にホテルを出てクレルモン駅に向かいました。駅構内のレストランで赤ワイン、平目のムニエルのランチを満喫して、ホームへ行くとクレルモン行きの列車が入線していました。4両編成のディーゼルカーの最後部に、一等車が半室ありました。もちろん、車内には乗客は私一人でした。列車はしばしリモージュ郊外の原野を走ると、次第にオーベルニュー高原の登りに掛かります。谷に分け入り清流の脇を、ディーゼル音もひと際列車が高く登ります。とある田舎の小駅には、ベンチでのんびりと休む村人がいました。ここらでちょっと一休みと、途中下車したくなる光景でした。列車が広々としたオーベルニュー高原に出ると、そこここに草を食む羊の群れを見ました。はるか彼方には火山の残骸が、丸い丘の姿を見せまています。ここは正に、フランス版信州の高原でした。途中の駅に、「ヴォルビック」なる駅名を見つけました。ここが名水ヴォルビックの産地でした。列車は左手にクレルモンの町並みを見降ろしながら、半周を描いて下ります。家々のオレンジ色の屋根が、夕陽に映えて輝きます。中央線の韮崎や、篠井線の姨捨に見られる鉄道の景勝地でしょうか。17時04分に、列車は終点の「クレルモン・フェラン駅」に着きました。

 

列車は「クレルモン・フェラン」に着きました。

初めは、ヴィシーに
 翌10月2日(土)は、まず近くの「ヴィシー」を訪問しました。ヴィシーと言えば鉱泉で有名ですが、また第二次大戦の時ここに「ヴィシー政府」が置かれたことでも有名です。ナチスドイツの降伏したフランスは、第一次大戦の英雄「ペタン元帥」を首班とした「ヴィシー政府」を樹立しました。この政府はナチスの影響下にあり、結果的には傀儡政権としてドゴール将軍が率いる「自由フランス」に政権を渡しました。かつてはドゴールの上官であったペタンは、ドゴール政権の下で終身刑に服しました。そのヴィシー政府跡を見たいと、10時19分発の列車でクレルモンを発ちました。駅前で買った英字新聞を開くと、遥か日本の東海村で原子力事故があったとの報道に接しました。さてクレルモンとヴィシー間は意外と近く、55kmしかありません。列車は高原から一気に下ると、再びフランスの平野を快走して10時40分にヴィシーに着きました。さすがは鉱泉保養地として栄えたヴィシーとあって、駅前から白亜のホテル群が林立しています。駅前の通りを真っ直ぐに歩くと、Allier川の美しい流れにでました。とりあえず目に付いた中国料理屋へはいり、ランチを摂りました。久しぶりのご飯とマーボ豆腐に、青島ビールがお腹にしみ込みました。主人が英語を話したので、しばし雑談しました。外へ出て少し歩くと、鉱泉センターがありました。入口で入場料を払うと、紙コップを渡されました。館内には鉱泉の蛇口があり、コップに注いで飲みました。硫黄分を含んだ鉱泉は、いとも珍妙な味でした。ヨーロッパでは温泉に入るより、健康のため飲む療法があります。近くの観光案内所で「ヴィシー政府」の跡地を聞くと、この一帯の建物を利用していたとのことです。歴史的には否定されている傀儡政権でしたが、国民的英雄の「ペタン元帥」をしばし偲びました。15時34分に出た列車は、16時10分にクレルモン駅に着きました。夕食は近所のスーパーで買ったパンと牛乳、バナナとトマトで済ませました。
 
ヴィシーの鉱泉センターです。中に入ると、鉱泉の蛇口が並んでいました。


この辺りが、ヴィシー政府の跡とのことでした。

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